有給休暇制度の正しい知識ー③


有給休暇制度の正しい知識―③

 

全回までに、有給休暇制度についての、付与要件や、有給は要件を満たした労働者の当然の権利である事、そして、経営者による時期指定権・変更権に際してお話させて頂きました。

最終話の今回は、今、厚労省で審議中の有給休暇の付与を事業主に義務化させるという制度のお話をさせて頂きます。

 

現在、厚生労働省に置いて、有給休暇の取得を(原案では年5日)経営者に義務化させると言う審議がなされております。

政府としては、有給取得率の向上を狙った苦肉の策である事は間違いないのですが、ここでこの案のメリット・デメリットに付いて触れたいと思います。

 

 

先ず、メリットとしては従来、有給が取りたくても取れない状況にいた方々が、この義務化によって、有給の取得が可能になると言う点です。

中には、義務化させた所で、夏休みや年末年始の休みを有給に振り替えられるだけで、何も変わらないと言った意見も耳にしますが、例えば、所定休日が週1日(又は特例の4週4日)のみ、盆・暮れも関係無い(休日では無い)方々に取っては、所定休日以外に、休暇が取れる状況は望ましい事だと思います。

それと、誤って欲しくないのは、有給と言うのは本来は労働日であるにも関わらず労働義務が免除される日だと言う事です。即ち、会社の年間休日の中に盆・暮れの休日が含まれていれば、その日はもともと労働義務が免除されているので、そこに有給休暇を当て込む事は出来ません。

ですから、労働義務が免除されている休日に、有給を振り替えて当てると言う事は法律上出来ないのです。

 

 

デメリットとしては、有給制度と言うのは本来の趣旨からすると、労働者の心身のリフレッシュに充てると言うのが目的で有る為、それを指定されて取得となると、法本来の主旨から外れ、本当に取得したい日に日数が足りなくなると言った事も十分に想定されます。ここは一考の余地がある部分では無いでしょうか?

 

何れにしましても現在はこの審議が法案として提出・可決されるかを待っている状況です。

 

最後に、特に中小の中には有給取得など出来ない、休みたくても変わりがいないと仕事が回らなくなる等々と言った理由で有給申請がなかなか出来ない方が存在する事が多々あります。

 

しかしながら、何度も言いますが、有給制度と言うのは労働者に与えられた権利です。事業主の中にも会社が付与するものと勘違いされている方も多いでしょう?この事をしっかりと頭に入れて、有給制度に付いて経営者とお話しされてみるのが良いかと思います。双方誤解であった場合、取得がしやすくなります。

自分が休んだら変わりが居ない=休めないと言った方々でも、会社と言うのは何とか回るものだと言う事を申し上げて置きたいです。

労働者と経営者の正しい知識のインプットと意思疎通こそが一番大切で有る事をご理解ください。フォロー体制の構築にも繋がります。

頑なに有給申請を認めない経営者がいた場合は、労基署若しくはお近くの社労士にご相談に行ってください。

当会に置きましても、有給取得についての相談は可能である旨、付け加えさせて頂きます。

 

(2015年4月25日 児玉伸也)

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