「社内のいじめと安全配慮義務との関係」


「社内のいじめと安全配慮義務との関係」 勤務中などに社内の同僚からいじめなどの行為を受けている例については、誰もが身近なことだったと思い起こせるのではないでしょうか。最近は、いじめなどの陰湿な嫌がらせなどを含めた行為を「モラルハランスメント」という呼称でも広がりはじめていると思います。
社内のいじめは、社員同士の関係なのだから上司を含む使用者はノータッチでもいいという風潮が職場内には存在していることも会社で働けば、これもまた身近なこととして実感できるのではないでしょうか。

 このような社内いじめの使用者の放置や無関心は、いじめのターゲットにされている被害社員の心をむしばみ不眠や疲労など心身ともに健康を害していく結果につながっていきます。また、正常な業務を継続する条件を阻害することにつながり業務提供面からしてもいじめの放置は社内運営上問題があることになります。
 では、このようないじめの問題について労働法はどのような態度をしてきているでしょうか。これまでの裁判例では職場での上司や同僚の陰湿な嫌がらせ行為への安全配慮義務違反と認められた例がではじめています。社内のいじめを認識していたにもかかわらず被害者の生命及び身体を危険から防護することや職場環境を改善する努力を怠っていたとなれば安全配慮義務違反にとわれる可能性は以前よりもずっと高くなっています。
 安全配慮義務とは、現在は労働契約法第5条で「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするもとする」と定められています。
 これは単なる抽象的な規定ではなく、これまでの安全配慮義務違反を判示してきた各判例では具体的な防止・防護策を検討するように命じています。参考判例は、「自衛隊八戸工場事件」(最三小判昭50.2.25)、「川義事件」(最三小判昭59.4.10)をあげられます。(2014年3月17日稲垣 真司)

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