「労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」―第3回


「労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」―第3回

第2回目では、契約内容に関する事を述べさせて頂きました。この絶対的明示事項は期間の定めの無い労働者であろうと、有期労働者であろうと一律に明示義務が生じるものです。

派遣の場合、有期雇用契約なので、何時までその派遣先に置いて就業できるのか?という抵触日という項目が加算されます。お手元の雇用契約書に抵触日○○年○○月○○日と言う抵触日が記載されております。

ご存じのように、労働者派遣は一定のスキルを要する限定業務又は一定の条件を備えた場合を除いて、原則1年最長3年と言う期間の縛りがあります。即ち、抵触日を超えて同一労働者を同一業務・同一場所に派遣先が受け入れてはならないという法規上の期間です。

例えば3カ月の短期更新を反復しながら抵触日まで働く事が(特別な事情が無い限り)通常にあります。
この3カ月と言う期間はあくまで、派遣元と当事者との契約期間になる訳で、抵触日に至る前にその契約終了となるのが、雇い止め、いわゆる派遣切りとなる訳です。
ここでこの反復契約が、3回以上更新又は1年を超えての継続勤務となった場合には、労基法第14条(有期労働契約基準)に置いて、使用者である派遣元が講じなければならない義務が生じて来ます。

①雇い止めの予告。
有期労働契約を更新しない場合には、少なくとも当該契約の期間満了日の30日前までに、その予告をしなければならない。
これは、労基法第20条に置ける解雇予告等の義務と同一な内容、即ち、使用者側の解雇予告の30日前通知、若しくは解雇予告手当の支払い義務が生じると言う事です。

②雇い止め理由の明示。
有期労働契約を更新しない場合には、派遣労働者が当該契約を更新しなかった理由について、証明書を“請求”した場合には遅滞なくこれを交付しなければならない。
即ち、更新しなかった理由を証明書により使用者に請求出来る訳です。
その理由如何によっては、解雇権の濫用として雇い止めが無効とされる場合があります。
但し、労働者からの請求が無かった場合にはこの限りではありません。
又、この反復契約が1回以上更新し“かつ”1年を超えている場合には、使用者側には契約期間についての配慮が求められます。

条文通りに書きますと、「使用者は、有期労働契約を更新しようとする場合には、当該契約の実態及び当該労働者の希望に応じて、契約期間を出来る限り長くするように“努めなければ”ならない。」
これはあくまで努力義務である為、殆どの場合が反復契約の期間延長に関しては以前のままと言うのが実態でしょう。

最後にクーリング期間について触れて置きます。
派遣可能期間は最長で3年である旨上記で述べましたが、抵触日満了日以降3カ月超派遣先が派遣受け入れを行わなければ、3カ月と1日後には又派遣を受け入れる事が出来ます。
この3カ月と1日と言う期間がクーリング期間と呼ばれるものです。
これは2013年4月1日施行の、無期労働契約への転換におけるクーリング期間とは異なりますので、ご注意ください。(2014年7月5日 児玉 伸也)

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