「労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」―第1回


労働者派遣を行う派遣元には、一般労働者派遣事業(登録型)と特定労働者派遣事業(常用型)の二種類が存在します。

二つの大きな違いは、事業の設立に当たって登録型が厚生労働大臣の許可を必要とするのに対して、常用型は届出で済みます。

実際に派遣される労働者に取って、登録型で働くのか?常用型で働くのか?これにも大きな違いがあります。

登録型の場合、派遣元に登録をしておき派遣先より依頼の申し出があった時点で就労開始(雇用契約の発動)となり、又有期の雇用契約となるため、派遣期間満了と同時に派遣元との労働契約も終了します。(例えばマネキンなどがこれに代表される形態です)

常用型の場合、派遣元で採用が決まった段階で派遣社員はその派遣元に置いて期間の定めの無い契約(無期雇用契約)を締結した事となり、派遣先からの依頼が無くとも、派遣元での直接雇用(正社員)となり労働契約が有効となります。そして、一旦派遣先での期間が満了したとしても、派遣元との雇用関係は継続し、次の派遣先が見つかるまで派遣元は派遣労働者に対して、賃金の支払い等雇用関係の維持が義務付けされております。

A事業場での派遣期間が終了し、次のB事業所での派遣業務が開始されるまでの間、派遣元には休業手当の支払い義務が生じます。

次に労働者派遣の仕組みに付いて簡単にご説明いたします。

派遣元と契約を交わした労働者は、依頼のあった派遣先に置いて就労します。

雇い主(雇用主)は派遣元。実際の業務に関する指揮命令者は派遣先となる訳です。

派遣先は指揮命令権や派遣労働者の安全衛生に関する事等にのみ責任を負います。

一方、賃金や労働時間の管理等労働法規、社会保険法規に関する事は派遣元が負う責任となります。

例えば、有給休暇の申請をしたい場合、派遣先に申し出てもその認否権は派遣先にはありません。あくまでも派遣元に置いて判断されます。

派遣先での労災に置いても派遣先は派遣元に対し、経緯説明の義務は有りますが実際に労災申請を届け出るのは派遣元となります。

このように、派遣労働者の権利義務関係は殆ど派遣元に置いての適用となり、派遣先はあくまで就労する場所と捉えて頂ければ判りやすいと思います。

第2回目以降は、更に掘り下げて派遣制度について、請負との違いや二重派遣について、そして改正派遣法について等、事例を挙げながら解説していきたいと思います。(2014年6月16日 児玉 伸也)

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