労働者派遣法-労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」―第5回


労働者派遣法-労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」―第5回

今回は、請負業に付いて触れて行きます。

通常、請負と言うのは、発注者からの依頼でその業務を“請け負う”所から、請負業と呼ばれ、建築業なので多くその形態が存在しますが(例えば、家を建てる場合など、先ず建築会社に相談→建築会社から基礎工事は○○、電気工事は○○・・・と言った具合に)、こうした場合、最初に依頼を受けた建築業者が元請け、建築業者から依頼を受けた他業者が孫請けであったり、更に孫孫請けだったりします。工事規模が大きければ大きい程、沢山の下請け業者が混在する事となり、その労務管理が非常に厳しくなり、労災や安全衛生法に即した対応が、元請けに義務付けられます。

近年、通常の製造業に置いても、請負業が多く導入されて来ました。背景としてはやはり正規社員を減少させる事により、人件費の削減を狙ったと言う所が一番の理由では無いでしょうか?

工場内のある部門を請負として、請負会社に仕事を依頼する。これが請負です。

①派遣と請負の違い

派遣業に付いては、何回か触れて参りましたが、派遣元と派遣先が基本契約を締結する事により、派遣元が有している派遣社員を、派遣先の指揮命令の下で労働に就かせる事が可能となります。

一方、請負業務の場合、発注者と請負業者(又は個人)が、業務請負契約を締結する事により、業務を請け負う事となります。

派遣との大きな違いは、派遣は派遣先の指揮命令で就労するのに対して、請負は発注者からの指揮命令は禁止となります。

あくまで独立した企業(又は個人)となる為、発注者から完全に(指揮命令権及び経営性が)独立した形で有る事が大きな違いです。

例えば、元々派遣社員として業務をこなしていた派遣先が、派遣元に当該業務を請け負いでやって欲しいと依頼をし、個別に請負契約書を締結すれば、先月までは派遣先であった所が、当月からは請負部署となる訳です。

当然に今までは、派遣先の社員等の指示で動いていましたが、請負化と同時に派遣先は発注者となる為、請負社員(従来の派遣社員)に直接仕事に関する指揮命令を発動する事が不可となります。

請負業者は独立した企業でなければならない為、自社の労働者への指揮命令は当然に自社の、事業所長又はリーダーと言う事になります。

②請負の範囲と責任。

請け負う範囲に関しては、請負業者は拒否権も行使出来る為、従来こなしていた業務を全て請け負う義務は有りません。発注者との話合いにより、どこからどこまでの仕事を請け負うか?又、その際の単価はどのように決定するのか?と言った内容の契約を請負契約書にて明らかにします。

労働者の労務管理の責任は当然に請負業者のみに課されます。独立した企業であるのですから当然です。

以上、請負業務とはどういった物か?大雑把に書いて来ましたが、上記事項は原則です。表面上は請負と言う形を取り、実態は派遣と何も変わっていない!と言う問題が多発しています。

悪質な場合、労働局から業務停止命令が下されたり、是正・勧告指導が入ります。

所謂、“偽装請負”です。

次回は、この偽装請負に付いて例題を挙げながら解説していきたいと思います。 

(2014年8月8日  児玉 伸也)

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