心の病で苦しんで仕事を辞めようと考えてる方へ

私が過去に受けた労働相談において

「不眠だ。」

「朝、倦怠感がひどく日中は耳鳴りがする。」

「もう生きていることすら面倒になった。」

などをおっしゃる方が何人かいらっしゃいます。またそのような方は仕事を辞めたいともおっしゃります。
でも急いで仕事を辞めてはいけません。

まずは休みましょう。

そのためには病院で医師の診断書をもらって下さい。不眠や倦怠感、希死念慮などの症状が現れているのならば、休養を要する旨記載された診断書を発行してくれるはずです。(使用者には労働者から良質な労働力の提供を受けるための措置として、労働契約法5条において安全配慮義務が定められています。会社がこの安全配慮義務を履行せずに辞めたいほど精神的に追い込んでいるのでしたら、医師が診断書作成を躊躇っても労働契約法を根拠に休養したい旨を伝えて下さい。)
また、診断書を提出して休職を申し出た労働者に対し、事業主は労働安全衛生法に拠り、何らかの措置を講じなければなりません。診断書を無視すれば事業主は先ほど述べた労働契約法5条に定める安全配慮義務を履行していないことになります。

そして病気休暇が認められた時点で急ぎ傷病手当金の申請をおこなって下さい。
勤務先が協会けんぽや健保組合に加入しており、ご自身が被保険者(任意継続を除く)であれば、原則傷病手当金は受給できます。
これで万が一退職しても生活資金の枯渇は免れるのです。

余談ですが、ご自身が時間外労働を80時間以上おこなったりハラスメントを受け、精神疾患に罹患した場合は、労災の対象になる可能性があります。
思いあたる方は、当会や労災に詳しい社労士や弁護士にご相談下さい。

とにかく、仕事がつらくて辞めたい、また最悪死にたいなどとお考えの方はまずは休んで下さい。休んで支援団体や専門家に相談して下さい。
辞めるのではなく、休むところから始めましょう。

(2014年6月11日 A.M)

会社のルールをしっかりと定めていますか?(事業主向け)

平成23年12月26日に、精神障害等の労災認定基準が通達として出され、精神障害に罹患した従業員に対して継続したいじめやセクハラが職場でおこなわれた場合、申請者がそれを録音などにより立証すると労災認定される可能性があります。
さらに、経営者や管理監督者がいじめやセクハラの事実を知りながら、何ら対策を講じなかった場合は、安全配慮義務違反で多額の損害賠償を請求される可能性もあります。

このようないじめやセクハラが職場で発生しないためにはどうしたらよいのでしょうか?
もちろん、ハラスメントが発生しない職場環境にすることは大事ですが、そのためにはどのような行為がハラスメントに該当し、ハラスメント行為者に対し厳しい懲戒を課すと記したハラスメント細則を作成する必要があります。
ハラスメント細則を作成するに際しては、先ほど述べた精神障害等の労災認定基準に該当するようなハラスメント行為が確認された場合は、会社としては厳しい処分を下すなどの規程を設けましょう。当然、ハラスメント調査委員会の設置も細則に記載し、会社側がハラスメント根絶に本気である姿勢を従業員に示しましょう。

認定基準が割りと明確になったことで、企業としてはハラスメント対策を講じやすくなったはずです。
ただ、認定基準の出来事をおこなった者をハラスメント細則で処分するためには、客観的な調査も必要です。そのためにハラスメント調査委員会を設置する訳です。
自社の労働者が労災認定された場合、労働者が安全配慮義務違反で会社を訴える可能性もあり、そうなると会社名が報道などで知られてしまい企業イメージの低下は避けられません。
ブラック企業の烙印を押されないためにもハラスメント細則を定めましょう。

(2014年6月11日 A.M)