労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」―最終回

労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」―最終回

さて、派遣・請負に付いて何度かに渡り書かせて頂きましたが、本篇は今回が最後と言う事で、平成24年度に改正された改正点に付いて解説も交えながらお話したいと思います。

①日雇い派遣の原則禁止。

言葉通り、日雇い又は30日以内の期間を定めた派遣の原則禁止です。

この禁止理由は、日雇いと言う雇用形態が非常に不安定なものであり、労働者の適正管理に支障を及ぼす為です。

例外として、

・雇用管理上支障が無いと認められる旧政令26業務の内ソフトウェア開発や機械設計等の17.5業務に従事する者。

・雇用機会の確保が特に困難で労働者の雇用継続が必要と認められた場合等。

これに属する労働者とは、(イ)60歳以上の高齢者(ロ)昼間学生の内、雇用保険の適用を受けない者(ハ)生業収入500万以上で日雇い派遣を副業とする者(二)主たる生計者で無く世帯収入が500万以上の者。

②グループ内企業派遣の8割規制。

関係派遣先に労働者を派遣する時は、関係派遣先への派遣割合が8割以下となるようにしなければならない。

従来も“専ら派遣”に付いては、法律上禁止されてきたが、それをより一層具体的に示した形です。

判り易く・簡潔に書きますと、関係親会社が派遣会社として子会社を設立し、その子会社からのみ労働者派遣と名打って親会社にのみ派遣させる行為です(専ら派遣)

こうした関係派遣先への派遣を8割以下に抑えようと言うのが本法の狙いです。

尚、8割の根拠に付きましては大変長くなるので割愛させて頂きます。

③離職後1年以内の退職者を派遣労働者として元の職場で受け入れることを禁止。

派遣先を辞職し、離職から1年経たない者を、派遣労働者として受け入れる事は実質上継続勤務とみなされ、雇用調整の抜け道と考えられる為。

労働者派遣が企業の雇用調整の手段として利用される事を労働者保護の立場から禁止する

主旨です。(実質的な雇用継続が労働者派遣と言う形で進行する事に成りかねないからです)

④派遣労働者の待遇改善施策の制定。

派遣労働者保護の観点から、待遇改善規定が設けられたが、ここでは主な部分だけを抜粋して行きます。

・派遣元に、派遣料金と派遣労働者の賃金との差額割合(いわゆるマージン率)を公開する事を義務付けた。これは、実際に自分が受け取る賃金に対して、派遣元はどれ位マージン(いわゆるピンハネ)を取っているのか?と言う、判断基準を示す為です。

・派遣先都合による派遣契約解除の際、派遣先は、その派遣労働者の新たな就業機会の確保や、派遣労働者への休業手当等を派遣元が支払うのに要する費用負担等の必要措置を講じなければならないとされた。

⑤法違反への対処

・派遣先が派遣元の違反を承知の上で派遣を受け入れた場合には、派遣先が労働者に対し、労働契約を申し込んだとみなす制度の新設(但し、本法の施行日は法の改正から3年後、平成27年度とされている)

・労働者派遣事業の欠格事由の整備が図られた。(法6条・7条)

さて、ここまでずらっと改正事項を見て来ましたが、今回見送られた法改正も何点かあります。

抵触日を超えても、派遣労働者の首さえ挿げ替えれば、同一企業・同一業種で永遠に派遣を受け入れる事が出来ると言う悪名高き改悪も今回は見送られましたが、今秋の通常国会で復活する可能性も見逃せません。

派遣・請負労働者とは立場的には弱いです。法的根拠をしっかりと頭に入れることで、悩みが解決に至る場合も多々あります。

今回のシリーズで書ききれなかった点、又は質問など有りましたら“働く人のセーフティーネット”の質問コーナーにお寄せ下さい。

又、当会では個人的労働相談も承っておりますので、安心してご相談ください。

先ずはHPをご覧くださいね。 (2014年8月23日  児玉 伸也