「同一価値労働・同一賃金」って何?

「同一価値労働・同一賃金」って何?

賃金の支払い方について定めた原則です。賃金について考えると当然、同じような仕事をしているのなら同じような賃金をもらっていて当たり前と思ったことはあるでしょうか?

しかし、統計で男女の性別で大きく賃金格差があることや、そもそもパートや派遣労働、有期雇用社員などで賃金体系自体が正規社員と異なっていることから非正規労働者の方が賃金が低かったりすることがあります。

かつては男性の賃金体系よりも女性の賃金体系自体が低いということもありました。とりわけ現代では男女の賃金差別は厳しく禁止されています。それは、ILO(国際労働機関)100号条約で「同一価値労働・同一賃金」の原則がうちだされ、日本では1967年に批准することによって定められました。

「同一価値労働・同一賃金」は、賃金差別を認めず、同一の価値の労働に対しては、性別による区別を行うことなく、同等の賃金を与えなければならないと決めた原則です。

「同一価値労働」とはなんでしょうか?それは労働の質を客観的な評価基準をもとに職務を評価することという説明があります。たとえば、①知識・技能、②精神的・肉体的負担、③責任、④労働条件などが評価対象とされ、この評価が同一の水準ならば男女の区別なしに同じ賃金を使用者は支払わなければなりません。

しかし、批准したのはいいですが、日本政府の取り組みが遅れているとして、2008年にILO条約勧告適用委員会から「男女が行う職務または労働を、技能、努力、責任、あるいは労働条件といった客観的要素に基づいて比較すること」と労働基準法の改定するように勧告されています。(2015年3月26日 稲垣 真司)

「春闘」ってなに?

「春闘」がニュースでよく取り上げられてくる季節になりました。でも、いまひとつ「春闘」ってよくわからないことが多いのではないでしょうか。正確には「春季闘争」といって、文字通り春の季節に行う労使の交渉を指します。

闘争とは穏やかではない言葉ですが、大まかに言うと、労働者がまとまって毎年春に企業の経営者に給料アップを求めて交渉をすることです。労働者がまとまることに意味があって、個々バラバラに給料アップを要求しても、それは成功率も低いのではないかと実感できると思います。

しかし、労働者がまとまっていっせいに交渉することで、経営者層に強く意見を伝えることができると1955年に労働組合がまとまって組合交渉をすることを始めたのが春闘のはじまりです。

4月は新しい年度が始まり、会社も新しく人事も一新された形になって新年度をスタートさせるため、その前に労働者の要望を2月頃から経営者層に伝えておきます。そして、よくニュースで取り上げられるのは「ベア」という言葉です。「ベア」とは「ベースアップ」の略称で、働いた年数に応じて給料が増えていく「定期昇給」に対して、ベアは給料の昇給曲線自体を底上げするものとなって、将来にわたって賃金額に影響するものとなります。

今年の春闘では大手企業が昨年を上回るベアを認めています。しかし、まだそれは一部で大手の製造業が中心となってベアの影響を受ける従業員の数でみると、それは全ての勤め人の5%程度です。

勤め人の7割を占めるのは中堅企業や中小企業、また非製造業の業種で働く人々で、それはまだ結論が出てくるのはまだこれからとなっています。(2015年3月23日稲垣真司)

セーフティネットとしての生活保護

生活保護利用者が増えています。

2011年4月に過去最多となり、そこから増え続け2014年12月現在で217万人を超えるまでになっています。

そもそも生活保護法は1950(昭和25)年に第2次世界大戦後に人間らしく生きる権利を守ろうという強い国民の気持ちを背景に制定されました。生活保護法は、貧困や病気、生活苦からの抜け出しや軽減は本人の責任や努力だけではなく、憲法25条の「健康で文化的な最低限度の生活」を保障し、自立を助長を国の責任で行うことを定めました。自立の助長とは、一人ひとりの能力が生かされ、人間らしい生活が送れるようにすることです。

生活保護法には4つの基本原理があります。一つは、今の国家責任です。2つは、無差別平等で、働いていることや扶養義務者があることで保護を受けることが差別されずに保護を受ける権利が保障されるということです。3つは、最低生活保障で、生活保護で保障される最低限度の生活は、健康で文化的な水準を維持すること、4つは、補足性で、保護は利用できる能力や資産などあらゆるものを活用することや他の法律や他の施策など活用できるものがあれば保護に優先して適用すること、窮迫しているときは調査なしに役所の権限で保護できることです。

これらの基本原理を踏まえたうえで、扶助の整備がされています。扶助とは、生活扶助・教育扶助・住宅扶助・医療扶助・出産扶助・生業扶助・葬祭扶助・介護扶助が行われます。また、生活保護の加算が状況に応じてされる仕組みになっています。加算とは、妊産婦加算・障害者加算・介護施設入所者加算・在宅患者加算・放射線障害者加算・児童養育加算・母子加算・介護保険料加算です。

2015年4月からは生活保護基準引き下げと住宅扶助と冬季加算の削減が行われます。生活保護基準の引き下げでは2013年から基準見直しの引き下げが行われ、激変緩和措置により3段階の引き下げが行われており、2015年4月はその3年目にあたります。生活保護をめぐるニュースは最近でも老齢加算の廃止や申請書類提出義務化などが多く取り上げられてきました。

それでも生活保護は大事なセーフティネットです。しっかり内容を理解しておけば、安心して生きてゆけることの確信をもち日々の職業生活などでも自信をもって過ごすことができます。遠慮なく生きる権利を行使するということを自分自身に刻み付けることが、「働く人のセーフティネット」からのオススメです。(2015年3月22日稲垣真司)

5月10日(土)セミナー 「言葉による行動変容」「職場における護身術」

◆2015年5月10日(日) 第2会議室A 13:30~16:30

内容;働く人のセーフティネットセミナー(後ほど会員向け動画となります)

講師:稲垣眞司(特定社会保険労務士)
テーマ;「職場における護身術~納得のいかない業務指示やハラスメントに『躱(かわ)す・導く・誤りを変えさせる』方法を身につける~」

内容;職場では言葉の応酬が多くを決していた!?働く現場では雇用主と従業員との間や同じ職場で働く同僚間で多くの言葉のやりとりが交わされます。このひとつひとつが実は言われた瞬間からのち、自分に大きく影響するとしたら?職場でのハラスメントや過重労働、労働条件の範囲、やりとりされる言葉をひとつひとつ検証して、どのようにつながっていくのかを見ていきます。そして、何より自分らしく生き生きと納得して働ける環境にするにはどういうスタンスがいいのか、お話ししてみたいと思います。ぜひ、みなさんからの体験談も語ってください。

参加費;無料


第2部;15:00~16:45
内容;シェアカフェ
カフェ店長;有馬珠子

カフェ紹介;働く人のセーフティネットの「シェアカフェ」では、都度かんたんにテーマを設け、お茶を飲みながら働く皆のあれこれを共有する場としております。5月10日の「シェアカフェ」は、「言葉による行動変容」をテーマに。言葉で相手の行動に変化を促す技について、語り合ってみませんか。
・皆の頭を悩ます「会話力」。言いにくいことの正しい伝え方。
・パワハラ上司やコミュ障同僚、自己評価の高いオレサマ後輩などなど、職場の困った人にうまく対応できる必殺フレーズを共有。
・「この一言が相手の行動を変えた」。良い例、悪い例。…etc
進行は心理コーチング1級&心理カウンセラー1級 認定保持(内閣総理大臣認証NPO法人コミュニケーション能力開発機構)の有馬珠子が務めますが、きわめてラフな集いですので、脱線も大歓迎。テーマ以外のことも気楽にお話し下さって結構です。
肩の荷を下ろして、また明日かから頑張れる。そんな時間を共有していただきたいと思っています。

茶菓子代;100円
当日参加・途中参加・途中退席もOKですので、スキマ時間を使ってどうぞお気軽にご参加ください。



場所;東京ウイメンズプラザ第1会議室A 
   東京メトロ表参道駅から約8分