パワハラに対する実務的対応

パワハラへの実践的対応について

パワハラ・・・近年、個別労使紛争に置いてもその相談件数が右肩上がりで最も多い労働問題です。
これを放置しておく事は企業にとっては、ブラック企業と言う風評被害、個人に置いては、最悪自死に至る程の重要な問題です。
パワハラに関しては、現在様々な対策資料が出回っていますが、ここで筆者自身の経験も踏まえて、具体的なパワハラ対策に付いて触れてみたいと思います。

・パワハラ加害者へ~先ず、パワハラを行う加害者は意図的である場合も多く、学校に置けるいじめの構図と同じです。これは確信犯です。例え、無意識であるにしろ、知らなかったではすまされません。パワハラを知らない事は(無知である事は)罪で有るという事を念頭に置いて下さい。
言葉は人を殺します。貴方の放った一言が、人を死に追いやる事も多々あるのです。
そうした場合、企業の失うものは金銭も含め、社会的制裁も大きく、マイナスイメージが定着し、某チェーン店の様に多額の負債を抱える事にもなりかねません。
パワハラについてもっと学び、教育や指導の一環であるにせよ、言葉の使い方、指導の仕方には十分注意してください。
ネットでもパワハラで検索すれば、どんな言動や行動がパワハラに該当するのか自身で学べます。特に企業のトップや管理職で有る方は、パワハラに関して常にアンテナを広く持って置く事です。知る事こそ最大の防御で有る事を念頭に置いて下さい。

・被害に合われている方へ~現在、パワハラの被害に合われてる方に実践的対応を伝授致します。
これは、私自身が体験した事ですが、ある企業で働き始めた頃、その部署の係長と取り巻きの一派によって、身に覚えのない事で毎日、酷い言葉を浴びせられました。業務上の注意を越えた、私的な部分にまで踏み込んでこられて、事有るごとに感情丸出しの激しい言葉を投げつけられました。これがパワハラと言うやつだな!と、初めての経験に戸惑いましたが、私が取った行動は先ず派遣元の担当者に事実を伝え、対応を依頼しました。
たまたま、担当者が理解のある人間で早速派遣先担当者に連絡を取り、事なきを得たのですが、こうしたケースは稀です。殆どの派遣元は派遣先の言いなりです。
余り騒ぐと問題社員として、様々な理由を付けられ雇い止めへと持って行かれます。

では、パワハラに合った時には具体的にどのような行動を取ればいいのでしょうか?
もしも、貴方が毅然とした気持ちの強い方で有れば、その加害者に対して「業務の事はこちらも以後気を付けますが、その言い方はパワハラに当たりますよ。気を付けてください・・・」と、相手の言葉を逆手に取って言い返すのが一番効果的です。
パワハラを行う人間は、実は頭の悪い、気の小さい人間が多いので(だから立場が弱い者に当たる)、貴方の毅然とした一言で何も言い返せなくなります。相手が激しい感情丸出しのモンスターであればあるほど、こちらが冷静に受け止めて言葉で理を説けば、何も言えなくなります。これは実に効果的です。
但し、相手が複数の場合や、自分自身が言い返せない(このような方が殆どでしょう)場合は、とにかく証拠を集めてください。パワハラに合っていると言う証拠集めです。

①ICレコーダーを常に持ち歩き、加害者と自分のやり取りを録音するのです。その際、なるべく「○○さん(加害者の名前)、もう一度お願いします」と、再度パワハラの言葉を述べてもらうと後々より大きな証拠となります。
ICレコーダーを持っています。今後は貴殿の仰る事は全て録音させて頂きます。と加害者に対して宣言する戦法もあるのですが、これには抑止力と共にリスクも伴うので現状を見極めた対応が必要となって来ます。

②その日に合った出来事を時系列(何月何日出来れば何時頃)に、こう言う事を言われた、されたと言うメモを取っておく事です。手書きのメモで結構です。
この際、注意して頂きたいのは、事実のみを書き込み自分の感情は書かないと言う点です。だからむかついた!だとか、死にたくなった!等々自分の感情は書かずに事実のみを機械的に書き込んでください。

③職場に話しの出来る同僚が居たら、今、誰誰からこう言うパワハラを受けていると言った相談をして置くのも可能であればして置きたい所です。

④もしも、身体的な暴行(軽くこずかれた)程度でも結構です。身体に接触するような行動があったら、警察に行きましょう。その場では解決に成りませんが、警察に行ったと言う事実を作っておくのです。
お近くに社労士や弁護士がいたら、相談しておくのも良いでしょう(1回位の相談で有れば無料で受けてくれる所が殆どです)。

⑤精神科や心療内科に行って、診断書を書いてもらいましょう。例え、その時点では抑鬱と判断されなくても、後々そのような症状に発展する事も考えられますし、やはり行ったと言う事実を作っておく事が大事なのです。

上記、全てはなかなか出来ないと思いますが、出来る部分はなるべく多く点数を取り、証拠として収集していってください。
証拠集めを楽しめる位になればしめたものです!
後々、法的解決に至った時に証拠が有れば有る程有利に働きます。
法的な解決手段は幾つかありますが、それは次回に説明させて頂きます。

最後に、パワハラを防ぐ事は一人では困難です。我々の様な団体や社労士・弁護士・ユニオン等の力を大いに利用してください。
労基署はパワハラにおいては管轄外ですので、相談するなら労働局にしてください。
そして、証拠集めは誰も協力してくれません。こればかりは貴殿が一人で行わなければなりません。証拠が無ければパワハラの立証は出来ないのが現実です。
上記5項目の中で、自分でも出来そうな所から徐々に始めて行ってください。
貴方が勇気を持って行動すれば、状況は変わります。逆に言うと、状況を変えるか?忍耐を続けるかも貴方次第なのです。
我々はパワハラに限らず、あらゆるハラスメント問題に対して相談を行っております。もしもお困りの事があれば、info@workers-safetynet.jpの方までご連絡ください。
貴殿は一人では無い事、協力者が居る事が判って頂けると確信しております。