カテゴリー別アーカイブ: 非正規雇用(派遣・契約社員・パート・期間雇用など)

今年も「働く人のセーフティネット」をご支援くださりありがとうございました

今年も残すところ、あと数日となりました。
普段は残業に追われ、なかなかお時間が取れない方も、年末年始は一息つけるのでしょうか。
もし普段、職場で何らかの疑問点をお持ちでしたら、この機会に整理することをお薦め致します。ご自身の問題がどこの管轄の扱いなのか、確認することも大切です。

● 労働基準監督署に相談できること。
・雇入れのときの労働条件の明示
・労働時間の上限(1日、1週)
・労働の開始時刻と終了時刻
・会社が、法律の上限を超えて働かせても良い上限の労働時間と手続き
・会社が与えなければいけない休日数(週1日または4週4日)
・会社が与えなければいけない休憩時間(6時間超えは45分、8時間超えは1時間)
・有給休暇の権利が発生する要件と日数
・労災保険給付などに使う平均賃金の計算の仕方
・労災申請必須書類
・賃金のルール(締日、支払日、計算期間、支払方法、全額支払い)
・法定外労働に対する割増賃金(法定時間外労働、深夜、法定休日に対する賃金)
・最低賃金
・解雇予告期間と解雇予告手当のルール
・年少者(未成年者、18歳未満、15歳要件)
・安全衛生管理(健康診断、有害・危険な業務など)
その他

労働基準監督署は、労働基準法に書かれている範囲のことを扱います。しかしそれ以外のことや民事的判断を要することなどは、介入に限界があります。
ちなみにパワハラや解雇、マタハラ、セクハラに関しては、各都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)が実効的な相談窓口となりますので、お一人で悩まず、まずは電話で面談予約をしてみてください。

 

今年も「働く人のセーフティネット」をご支援くださり、ありがとうございました。
これからも働く人の受け皿となれるよう、地道に活動を続けていきますので、来年もどうぞよろしくお願い致します。

労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」―最終回

労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」―最終回

さて、派遣・請負に付いて何度かに渡り書かせて頂きましたが、本篇は今回が最後と言う事で、平成24年度に改正された改正点に付いて解説も交えながらお話したいと思います。

①日雇い派遣の原則禁止。

言葉通り、日雇い又は30日以内の期間を定めた派遣の原則禁止です。

この禁止理由は、日雇いと言う雇用形態が非常に不安定なものであり、労働者の適正管理に支障を及ぼす為です。

例外として、

・雇用管理上支障が無いと認められる旧政令26業務の内ソフトウェア開発や機械設計等の17.5業務に従事する者。

・雇用機会の確保が特に困難で労働者の雇用継続が必要と認められた場合等。

これに属する労働者とは、(イ)60歳以上の高齢者(ロ)昼間学生の内、雇用保険の適用を受けない者(ハ)生業収入500万以上で日雇い派遣を副業とする者(二)主たる生計者で無く世帯収入が500万以上の者。

②グループ内企業派遣の8割規制。

関係派遣先に労働者を派遣する時は、関係派遣先への派遣割合が8割以下となるようにしなければならない。

従来も“専ら派遣”に付いては、法律上禁止されてきたが、それをより一層具体的に示した形です。

判り易く・簡潔に書きますと、関係親会社が派遣会社として子会社を設立し、その子会社からのみ労働者派遣と名打って親会社にのみ派遣させる行為です(専ら派遣)

こうした関係派遣先への派遣を8割以下に抑えようと言うのが本法の狙いです。

尚、8割の根拠に付きましては大変長くなるので割愛させて頂きます。

③離職後1年以内の退職者を派遣労働者として元の職場で受け入れることを禁止。

派遣先を辞職し、離職から1年経たない者を、派遣労働者として受け入れる事は実質上継続勤務とみなされ、雇用調整の抜け道と考えられる為。

労働者派遣が企業の雇用調整の手段として利用される事を労働者保護の立場から禁止する

主旨です。(実質的な雇用継続が労働者派遣と言う形で進行する事に成りかねないからです)

④派遣労働者の待遇改善施策の制定。

派遣労働者保護の観点から、待遇改善規定が設けられたが、ここでは主な部分だけを抜粋して行きます。

・派遣元に、派遣料金と派遣労働者の賃金との差額割合(いわゆるマージン率)を公開する事を義務付けた。これは、実際に自分が受け取る賃金に対して、派遣元はどれ位マージン(いわゆるピンハネ)を取っているのか?と言う、判断基準を示す為です。

・派遣先都合による派遣契約解除の際、派遣先は、その派遣労働者の新たな就業機会の確保や、派遣労働者への休業手当等を派遣元が支払うのに要する費用負担等の必要措置を講じなければならないとされた。

⑤法違反への対処

・派遣先が派遣元の違反を承知の上で派遣を受け入れた場合には、派遣先が労働者に対し、労働契約を申し込んだとみなす制度の新設(但し、本法の施行日は法の改正から3年後、平成27年度とされている)

・労働者派遣事業の欠格事由の整備が図られた。(法6条・7条)

さて、ここまでずらっと改正事項を見て来ましたが、今回見送られた法改正も何点かあります。

抵触日を超えても、派遣労働者の首さえ挿げ替えれば、同一企業・同一業種で永遠に派遣を受け入れる事が出来ると言う悪名高き改悪も今回は見送られましたが、今秋の通常国会で復活する可能性も見逃せません。

派遣・請負労働者とは立場的には弱いです。法的根拠をしっかりと頭に入れることで、悩みが解決に至る場合も多々あります。

今回のシリーズで書ききれなかった点、又は質問など有りましたら“働く人のセーフティーネット”の質問コーナーにお寄せ下さい。

又、当会では個人的労働相談も承っておりますので、安心してご相談ください。

先ずはHPをご覧くださいね。 (2014年8月23日  児玉 伸也

労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」―第6回

労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」―第6回

請負と偽装請負に付いて。

前会では請負に付いて触れましたが、請負とは「指揮命令権が独立している」「経営権が独立している」と言う二つの定義を持って成される契約形態を指す旨書きました。

では、この二つに反する所謂偽装請負とはどう言ったものなのか?例を挙げて見て行きましょう。

例えば、発注者から製品に対してクレームが入った時に、その原因が請負側の作業工程にあった場合、その作業工程の見直し等、発注者と業務請負会社の当事者間で話し合いが行われる事は問題ないのですが、発注者が直接、請負労働者に支持を行った場合は指揮命令に当たるとされ偽装請負と判断されます。

完全に事業所が別れていて、発注者と請負労働者が離れた状態で業務に従事している場合はこのような問題は起きませんが、同じ建屋でパーテーションの様な区切りも無く、発注者側の正社員と請負会社の作業員が混在して、且つ連携するような仕事をしている場合にこうした問題は発生し易くなります。

筆者の場合、ラインに部品を供給すると言う仕事をしているのですが、部品供給までは弊社の業務。ライン側の組み立ては別の請負会社が請け負っています。

更に、その現場には発注者側の社員が職長として存在しています。

こうしたパターンの場合、線引きが非常に難しい。先ず、職長が我々や組み立て作業員に直接支持を出す事はNGなのですが、作業計画に沿って支持を出すのは職長となります。

これは当然に偽装請負となるのですが、この支持が無いと請負会社同士の線引きとなり、作業が滞る。発注者側としては納期の遅れは大問題となるので、何かと支持を出さざるを得ない。

支持は事業所リーダーを通じて行う事と言う覚え書きもあるのですが、このリーダー自体、立場上は一労働者である事に変わりは無く、本来は支持を受けてはいけないのです。

支持を出すのであれば、発注者から事業所長又は管理責任者を通じて行うと言うのが本来のルールです。

しかし、そんな事をしていたら時間ばかりかかり、作業が全く進まないと言った結果を招いてしまう。その為、リーダーを通じて作業指示を行っているのですが、急ぎの場合はそれすら反故にされ直接作業員に支持を出してくる事も多々あります。

明確な偽装ですね。

経費削減の為に、最近では特定部門のみを請負化させる企業が増えていますが、請負業務に付いて、両当事者がしっかりと把握をし、業務上の線引きを契約書に謳って置かないとこうしたケースが多々表出します。

ここまで書いてお判りの通り、請負業務とは発注者側から完全に独立した事業でなければなりません。

上記問題が労働者派遣であれば全く問題ないのですが、形式上は請負契約となっていても、実態は労働者派遣と変わらない場合、職安法で言う所の労働者供給事業に該当し、同法64条により供給者側、受け入れ側ともに厳しい罰則が適用される場合があります。

労働者派遣と請負事業の違いに付いてお判りいただけたでしょうか?請負事業でも実態は労働者派遣とみなされる場合は偽装請負となります。

但し、災害時などの緊急性が生じた場合、請負労働者の健康や安全を確保するために必要となる指示を行ってもこれは偽装とはなりません。

建設業等の特定事業者に関しては、労働安全衛生法第31条に置いて、発注者にも労災防止の為必要な措置を講じる義務を負わせていますし、又、同法26条に置いても労働者側に安全・衛生に対する必要な義務を順守するよう求められています。

(2014年8月31日  児玉 伸也)

労働者派遣法-労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」―第5回

労働者派遣法-労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」―第5回

今回は、請負業に付いて触れて行きます。

通常、請負と言うのは、発注者からの依頼でその業務を“請け負う”所から、請負業と呼ばれ、建築業なので多くその形態が存在しますが(例えば、家を建てる場合など、先ず建築会社に相談→建築会社から基礎工事は○○、電気工事は○○・・・と言った具合に)、こうした場合、最初に依頼を受けた建築業者が元請け、建築業者から依頼を受けた他業者が孫請けであったり、更に孫孫請けだったりします。工事規模が大きければ大きい程、沢山の下請け業者が混在する事となり、その労務管理が非常に厳しくなり、労災や安全衛生法に即した対応が、元請けに義務付けられます。

近年、通常の製造業に置いても、請負業が多く導入されて来ました。背景としてはやはり正規社員を減少させる事により、人件費の削減を狙ったと言う所が一番の理由では無いでしょうか?

工場内のある部門を請負として、請負会社に仕事を依頼する。これが請負です。

①派遣と請負の違い

派遣業に付いては、何回か触れて参りましたが、派遣元と派遣先が基本契約を締結する事により、派遣元が有している派遣社員を、派遣先の指揮命令の下で労働に就かせる事が可能となります。

一方、請負業務の場合、発注者と請負業者(又は個人)が、業務請負契約を締結する事により、業務を請け負う事となります。

派遣との大きな違いは、派遣は派遣先の指揮命令で就労するのに対して、請負は発注者からの指揮命令は禁止となります。

あくまで独立した企業(又は個人)となる為、発注者から完全に(指揮命令権及び経営性が)独立した形で有る事が大きな違いです。

例えば、元々派遣社員として業務をこなしていた派遣先が、派遣元に当該業務を請け負いでやって欲しいと依頼をし、個別に請負契約書を締結すれば、先月までは派遣先であった所が、当月からは請負部署となる訳です。

当然に今までは、派遣先の社員等の指示で動いていましたが、請負化と同時に派遣先は発注者となる為、請負社員(従来の派遣社員)に直接仕事に関する指揮命令を発動する事が不可となります。

請負業者は独立した企業でなければならない為、自社の労働者への指揮命令は当然に自社の、事業所長又はリーダーと言う事になります。

②請負の範囲と責任。

請け負う範囲に関しては、請負業者は拒否権も行使出来る為、従来こなしていた業務を全て請け負う義務は有りません。発注者との話合いにより、どこからどこまでの仕事を請け負うか?又、その際の単価はどのように決定するのか?と言った内容の契約を請負契約書にて明らかにします。

労働者の労務管理の責任は当然に請負業者のみに課されます。独立した企業であるのですから当然です。

以上、請負業務とはどういった物か?大雑把に書いて来ましたが、上記事項は原則です。表面上は請負と言う形を取り、実態は派遣と何も変わっていない!と言う問題が多発しています。

悪質な場合、労働局から業務停止命令が下されたり、是正・勧告指導が入ります。

所謂、“偽装請負”です。

次回は、この偽装請負に付いて例題を挙げながら解説していきたいと思います。 

(2014年8月8日  児玉 伸也)

労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」―第4回

今回は「二重派遣」に付いて述べさせて頂きます。

派遣業界に身を置いた事がある方なら、二重派遣と言う言葉を聞いた事位はあると思います。

聞いた事はあるものの、実際に二重派遣とはどういった行為なのかを解説して行きます。

典型的な事例を挙げますと、貴方はAと言う派遣会社から、Bと言う派遣先に派遣されている労働者です。

雇用責任・労務管理責任等は当然に派遣元Aが負います。

その後、派遣先であるBから別の事業所Cで働くよう勧められ、貴方はCと言う事業所で働き始めました。これが二重派遣です。

即ち、元々の契約では派遣元Aから派遣され、派遣先Bで就労する事になっていたにも関わらず、派遣元では無いBの命令によりCで就労すると言う事は、労働者供給事業に該当し、職安法44条の(労働者供給事業の禁止)に抵触する訳です。

しかも、派遣先Bが派遣先Cより労働者供給に対して賃金を受け取っているのであれば、労基法6条(中間搾取の禁止)にも抵触します。

上記理由から二重派遣は厳しく取り締まられます。二重派遣を行った者への罰則は1年以下の懲役または100万以下の罰金が適用されます。

派遣労働者はあくまでも雇用主である派遣元の命令により就労する派遣先以外で、派遣社員として働く事が禁じられているのです。

こうした制度が確立した背景には、我が国に置いて業務請負の際に、委託・下請け・孫請けと言った間接雇用が横行し、賃金が中間搾取されたり、タコ部屋といった人権侵害が多く行われて来たからです。

例外として、一定の条件を満たした労働組合による労働者供給事業は業として認められておりますが、他は一切の例外なく労働者供給事業を固く禁じています。

最後に筆者自身が経験した事例を挙げて置きます。

派遣元Aが派遣労働者と個別労働契約を締結し、派遣先Cで就労する事となりました。ここまでは労働者派遣事業として、何の問題もありません。

ところが、実際に派遣先Cに置いて派遣労働者の指揮命令や労務管理を行っていたのは、派遣元Aより委託された別の派遣会社Bでした。

派遣会社Bは派遣労働者の労務管理を委託するという名目で、派遣元Aよりマージンを受け取っていたのです。

ちょっと判り辛い事例ですが、これもれっきとした二重派遣に該当します。

雇用関係が生じるのはあくまで、派遣元Aと派遣労働者の間に置いてのみです。

この関係の中に第3者は一切の介入をする余地はありません。

ここが二重派遣か否かを見抜く大事なポイントとなります。

次回は請負業務と偽装請負に付いて触れて行きます。

(2014年7月19日 児玉伸也)

「労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」―第3回

「労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」―第3回

第2回目では、契約内容に関する事を述べさせて頂きました。この絶対的明示事項は期間の定めの無い労働者であろうと、有期労働者であろうと一律に明示義務が生じるものです。

派遣の場合、有期雇用契約なので、何時までその派遣先に置いて就業できるのか?という抵触日という項目が加算されます。お手元の雇用契約書に抵触日○○年○○月○○日と言う抵触日が記載されております。

ご存じのように、労働者派遣は一定のスキルを要する限定業務又は一定の条件を備えた場合を除いて、原則1年最長3年と言う期間の縛りがあります。即ち、抵触日を超えて同一労働者を同一業務・同一場所に派遣先が受け入れてはならないという法規上の期間です。

例えば3カ月の短期更新を反復しながら抵触日まで働く事が(特別な事情が無い限り)通常にあります。
この3カ月と言う期間はあくまで、派遣元と当事者との契約期間になる訳で、抵触日に至る前にその契約終了となるのが、雇い止め、いわゆる派遣切りとなる訳です。
ここでこの反復契約が、3回以上更新又は1年を超えての継続勤務となった場合には、労基法第14条(有期労働契約基準)に置いて、使用者である派遣元が講じなければならない義務が生じて来ます。

①雇い止めの予告。
有期労働契約を更新しない場合には、少なくとも当該契約の期間満了日の30日前までに、その予告をしなければならない。
これは、労基法第20条に置ける解雇予告等の義務と同一な内容、即ち、使用者側の解雇予告の30日前通知、若しくは解雇予告手当の支払い義務が生じると言う事です。

②雇い止め理由の明示。
有期労働契約を更新しない場合には、派遣労働者が当該契約を更新しなかった理由について、証明書を“請求”した場合には遅滞なくこれを交付しなければならない。
即ち、更新しなかった理由を証明書により使用者に請求出来る訳です。
その理由如何によっては、解雇権の濫用として雇い止めが無効とされる場合があります。
但し、労働者からの請求が無かった場合にはこの限りではありません。
又、この反復契約が1回以上更新し“かつ”1年を超えている場合には、使用者側には契約期間についての配慮が求められます。

条文通りに書きますと、「使用者は、有期労働契約を更新しようとする場合には、当該契約の実態及び当該労働者の希望に応じて、契約期間を出来る限り長くするように“努めなければ”ならない。」
これはあくまで努力義務である為、殆どの場合が反復契約の期間延長に関しては以前のままと言うのが実態でしょう。

最後にクーリング期間について触れて置きます。
派遣可能期間は最長で3年である旨上記で述べましたが、抵触日満了日以降3カ月超派遣先が派遣受け入れを行わなければ、3カ月と1日後には又派遣を受け入れる事が出来ます。
この3カ月と1日と言う期間がクーリング期間と呼ばれるものです。
これは2013年4月1日施行の、無期労働契約への転換におけるクーリング期間とは異なりますので、ご注意ください。(2014年7月5日 児玉 伸也)

「労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」―第2回

「労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」―第2回

 

貴方が働きたい職種を見付け、派遣元に電話しました。そこで、面接日の決定~面接と言う流れになります。

面接とは求職者はどんな派遣元なのか?求人元である派遣元は求職者がどんな人間であるのかを見極める双方に取って大切な時間である事は言わずもがなです。

 

双方テーブルに付き、面接が始まります。当然に労働条件の提示や説明がなされるでしょう。求職者も気になる点や質問事項を聞き出す最大のチャンスです。

双方の話が噛み合えば、早いとその場で契約と言う流れもあり得ますが、大体は後日採用の可否を電話連絡と言う流れでしょう。

 

そして採用が決定し、契約と言う流れになりますが、ここでは労働契約に関して重要な点を幾つか述べさせて頂きます。

労働契約は口頭でも成立します(民法上の諾成契約)が、後々のトラブルを防ぐためにも、書面(労働契約書・雇用契約書等)によって契約内容の確認・合意をしましょう。

又、労働基準法15条1項では、使用者が書面によって明示しなければならない限定事項(絶対的明治事項)があります。

 

①労働契約の期間に関する事項。

②有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項。

③就業の場所及び従事すべき業務に関する事項。

④始業及び終業の時間、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休憩並びに労働者を2組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項。

⑤賃金(退職手当、賞与、手当に関する事項を除く)の決定、計算及び支払い方法、賃金の締め日、支払日、昇給に関する事項。

⑥退職に関する事項(解雇の事由を含む)

 

又、パートタイム労働法では上記6項目に加え、「特定事項」も明示しなければなりません。

特定事項

①昇給の有無。

②退職手当の有無。

③賞与の有無。

 

パートタイム労働者とは法文上は、通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて労働時間の短い労働者を指します。

 

更に、改正労働者派遣法では派遣料金と派遣労働者の実際に受ける賃金額との差額割合(マージン率)の記載や教育訓練に関する情報公開が義務付けられました。

 

契約の際は必ず上記事項が文面に記載されているかをチェックしてください。

又、苦情処理に関する事項に付いても明示されているか否かをチェックしましょう。

この雇用契約書又は労働契約書がしっかりと作成・記載されているかいないかで、派遣元の判断指針となります。

派遣先より先ずは派遣元を見極める事が大切な作業となります。

疑問に思った点は契約書等の事項を指摘して、納得がいくまで説明を受けて下さい。

そうした対応一つでも派遣元の実態を見極めるチャンスとなります。

 

最後にもう一度、契約の際の注意事項に付いて触れさせて頂きます。

*労働契約は書面で行う事。

*絶対的明示事項が記載されているかどうか。

*更新の有無(更新を確約しているものなのか、更新の可能性有り又は無しとされているか)

*試用期間の有無。

*社会保険、雇用保険の加入の状況。

 

上記に挙げた5点は面接の際必ず確認しましょう。後々のトラブルを防止する為に必須事項となります。(2014年6月28日 児玉伸也)

「労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」―第1回

労働者派遣を行う派遣元には、一般労働者派遣事業(登録型)と特定労働者派遣事業(常用型)の二種類が存在します。

二つの大きな違いは、事業の設立に当たって登録型が厚生労働大臣の許可を必要とするのに対して、常用型は届出で済みます。

実際に派遣される労働者に取って、登録型で働くのか?常用型で働くのか?これにも大きな違いがあります。

登録型の場合、派遣元に登録をしておき派遣先より依頼の申し出があった時点で就労開始(雇用契約の発動)となり、又有期の雇用契約となるため、派遣期間満了と同時に派遣元との労働契約も終了します。(例えばマネキンなどがこれに代表される形態です)

常用型の場合、派遣元で採用が決まった段階で派遣社員はその派遣元に置いて期間の定めの無い契約(無期雇用契約)を締結した事となり、派遣先からの依頼が無くとも、派遣元での直接雇用(正社員)となり労働契約が有効となります。そして、一旦派遣先での期間が満了したとしても、派遣元との雇用関係は継続し、次の派遣先が見つかるまで派遣元は派遣労働者に対して、賃金の支払い等雇用関係の維持が義務付けされております。

A事業場での派遣期間が終了し、次のB事業所での派遣業務が開始されるまでの間、派遣元には休業手当の支払い義務が生じます。

次に労働者派遣の仕組みに付いて簡単にご説明いたします。

派遣元と契約を交わした労働者は、依頼のあった派遣先に置いて就労します。

雇い主(雇用主)は派遣元。実際の業務に関する指揮命令者は派遣先となる訳です。

派遣先は指揮命令権や派遣労働者の安全衛生に関する事等にのみ責任を負います。

一方、賃金や労働時間の管理等労働法規、社会保険法規に関する事は派遣元が負う責任となります。

例えば、有給休暇の申請をしたい場合、派遣先に申し出てもその認否権は派遣先にはありません。あくまでも派遣元に置いて判断されます。

派遣先での労災に置いても派遣先は派遣元に対し、経緯説明の義務は有りますが実際に労災申請を届け出るのは派遣元となります。

このように、派遣労働者の権利義務関係は殆ど派遣元に置いての適用となり、派遣先はあくまで就労する場所と捉えて頂ければ判りやすいと思います。

第2回目以降は、更に掘り下げて派遣制度について、請負との違いや二重派遣について、そして改正派遣法について等、事例を挙げながら解説していきたいと思います。(2014年6月16日 児玉 伸也)

「2014年3月11日に労働者派遣法改定案の閣議決定」

「2014年3月11日に労働者派遣法改定案の閣議決定」

政府は3月11日、労働者派遣法の改定案を閣議決定しました。改定内容は、連日の報道にもある通り、専門的でない一般的業務の派遣就労には現在3年の期限があるがそれを撤廃するというものが主な内容となっています。ここでは内容の是非はともかく概要を記します。…

現在、専門26業種以外の派遣は3年をめどにされています。そもそも派遣先での派遣受入期間の制限は、物の製造、軽作業、一般事務など 原則1年間とされており、過半数労働組合等の意見を聴いた上で、3年間まで延長可能とするのが現制度となっています。

また、その3年間に使用される派遣労働者は同一人物ではなくても3年のカウントは行われます。3年は派遣受け入れの対象となる業務についてかかるので、その3年のうちに何人の派遣労働者が業務を担当したとしても、3年のカウントは行われるのです。

3年を経過しそうになったらどうなるのでしょうか?それは3年目の期間制限抵触日にその業務についている派遣労働者に対して、直接の労働契約の申し込み義務が使用者側に発生します。

さて、今回の閣議決定された改定法案の内容は、この派遣対象の業務となってからの3年間というカウントを無期限にするというものです。ただし、今度は各個別の派遣労働者にたいして3年のカウントがはじまり、3年経過したらその派遣労働者個人については、そのままの業務に派遣され続けるわけにはいきません。派遣対象の職種には派遣を活用できる期間は無期限となり、派遣労働者個人については同一の職種や職場での3年の期限がついてということになるわけです。

3年以上派遣労働先を活用し続けるには過半数労働組合の同意が必要とされ、各個人の派遣労働者に対しては人材派遣会社が次の派遣先を探すことが義務付けられています。人材派遣会社は許可制として制度の順守を義務付けるという制度担保としています。

また、派遣元に常時雇用されている無期雇用派遣や60歳以上の高齢者の場合等には、同一派遣労働者を同一業務に3年をこえていつまでも継続して受け入れることができます。 (2014年3月13日 稲垣 真司)